ポランカのキッチンクロスのたて糸の準備をしている様子の写真がベロニカさんから送られてきました。
何千本もあるたて糸を、熟練の職人のアラさんが一本一本手作業で筬(おさ)に通していきます。
アラさんのたて糸のセッティングの仕事は気が遠くなるような仕事ですが、こういった作業のおかげで豊かな生地の表現が生まれます。
10年以上前のことですが、発注したオリジナルのキッチンクロスに1本の糸の掛け間違いがあり、日本で販売することができなくなってしまったことがありました。
生地としてはまったく問題はありませんでしたが販売を見送りました。
たった1本の掛け間違いで販売ができなくなってしまったことが、本当に残念でなりませんでした。
そんな出来事があった時期に、ポーランドの工場を訪ねました。
その時、私は誰がたて糸の掛け間違いをしてしまったのか知りませんでした。
たて糸の準備をしている部屋に入ると、作業中の女性に急に話しかけられました。
「私、1本の糸を掛け間違っちゃったわね。」
肩をすくめながらぺろりと舌を出して謝ってくれたのです。
それがアラさんでした。
この人が間違ってしまったのかと思いましたが、「うっかりは誰にでもありますよ。」と答えました。
キッチンクロスの発注をする度に、アラさんのチャーミングな笑顔でその場が和んだことを思い出します。
1本の掛け間違いのキッチンクロス、きちんと説明をして販売すればよかったと今でもちょっと後悔しています。
今回もポランカのキッチンクロスのたて糸のセッティングはアラさんが担当してくれています。
ベロニカさんから送られてきた写真を見ると、たて糸の準備が終わり、すでに次の段階に進んだようです。
3種類の生地は、織り上がった時は並んでひとつながりになっています。
指定したキッチンクロスの幅(カット線が入っています)で、それぞれカットされます。
生地全体の検品を経てカットされたロール状の生地は縫製会社へ運ばれて、指定した長さにカットされてキッチンクロスの縫製がおこなわれます。
今週中には縫製会社で縫製されたファーストサンプルのキッチンクロスが国際郵便で送られてきます。
デザイン、色は指定通りになっているかな。
今年のリネンはどんな手触り、風合いはどんなかな。
新しく作ってもらった品質表示タグはちゃんとプリントされているかな。
たくさんの期待と不安が入り混じって、荷物が手元に届いて封を開ける時はいつも緊張してしまいます。
封を開けた時の自分が笑顔だといいなあと思います。
どうかポランカのキッチンクロスが素敵に仕上がっていますように。
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